「粗末にせんように、少しでもいい絲にするように、屑なんか出しちゃいかんからねぇ・・・」 映画『時の絲ぐるま』より
一個の繭から引ける絲の長さは約1,400m。しかし、一反の織物に必要な繭はなんと約3,000個。 今でこそ絹製品を纏う機会は随分と減ったものの、ひと昔までは多くのお蚕さんの命の上に私たちの生活はあった。
人間の都合にお蚕さんの命を利用することはアリか。 いや、それ以上に我々はあらゆる命の上に営みがアリ、成り立っている。 だからこそ祀り、感謝し、粗末にしない。 粗末にしないためにも技術があり、鍛錬を重ねる。
それが人間だと、私は思う。
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