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「地域のお祭りに、子供たちが参加してくれなくなった…」

映画『時の絲ぐるま』を観て下さった方から、こんな言葉をいただきました。

秋のお祭りは何のためするの? 意味あるの?〝いただきます”の亡失と共にその考えが社会に広まりつつある。

あらゆる物づくりは、神さまへの収穫の感謝の贈り物。お家芸であるはずの日本の物づくりが後塵に拝するようになった所以は、案外そこから来ているのかもしれない。

収穫の季節。私たちは命をいただく感謝の意味を改めて考えてみたい。


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奈良市界隈の個人邸宅にてプライベート上映会を催しました。

この様子は奈良新聞でも記事にして下さいました。



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「粗末にせんように、少しでもいい絲にするように、屑なんか出しちゃいかんからねぇ・・・」                    映画『時の絲ぐるま』より

一個の繭から引ける絲の長さは約1,400m。しかし、一反の織物に必要な繭はなんと約3,000個。 今でこそ絹製品を纏う機会は随分と減ったものの、ひと昔までは多くのお蚕さんの命の上に私たちの生活はあった。

人間の都合にお蚕さんの命を利用することはアリか。 いや、それ以上に我々はあらゆる命の上に営みがアリ、成り立っている。 だからこそ祀り、感謝し、粗末にしない。 粗末にしないためにも技術があり、鍛錬を重ねる。

それが人間だと、私は思う。





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突然ですが、みなさんは『気候変動』についてどう思われていますか。

先日、国連IPCCが強い言葉で警告を発しましたが、関心、無関心イロイロだと思います。僕(石井友規)は地球温暖化防止活動推進員として教育活動を行う中で、気候変動の原因の一つとして『生命の無駄遣い』についての危機感を伝えています。 そう、“食品ロス”です。

国連環境計画の2021年発表では2019年時点で世界全体の食品ロスは9.3億トン。その内の60%は家庭から出ているそうです。さらには日本の家庭からは年間平均一人あたり64キロと、まさにおおよそ自分の体重分の食品ロスが毎年出ていることになります。生ゴミは80%が水分で、生ゴミ1トンを燃やすのに760リットルの重油が必要。もちろんそこからは温室効果ガスの排出。さらには元々食品の生産過程にもたくさんの燃料が使われ、運搬にも燃料が使われることから、食品ロスは究極の無駄遣いであり、それが気候変動への要因にも繋がっています。

表層でこの問題を捉えると、AIによる食品生産の効率化や、電動車によるフードマイレージの削減、貧困国への分配、生ゴミの堆肥化など、対処対策ばかりが取り上げられますが、根本的に欠如しているのは『生命の無駄遣い』に対する自覚であり罪悪感です。

日本では元々、アニミズム的に八百万の神々。仏教では山川草木悉有仏性(さんせんそうもくしつうぶっしょう)と、様々なものに命が宿り尊いものとして大切にする心が根付いています。だからこそ“いただきます”、“ごちそうさま”があり、“もったいない”と自然と思える文化があったわけですが、いつしか生命はじめ食品は経済の儲け道具になり、それが当たり前になっていることに、まずは日本人として危機感を覚えなくてはなりません。

例えばコンビニでは消費期限よりも早い段階で食品が破棄されます。食中毒防止など理由は分かっていますが、それでも例えばお弁当の一品として添えられているエビであれば、「食べられずに棄てられるなら殺される必要がなかったじゃん」と言われそうで、それはエビに限らず、牛豚鶏などわかりやすい命はもちろん、お米一粒に至るまでの全てがそうであり、本来うしろめたさを感じずにはいられないはずです。「陳列は前から取りましょう」などエシカル消費とカッコイイ言葉で推進していますが、それは当たり前のことなのに、いったいいつからこんな世の中になってしまったのか。と、この世の行く末が心配になります。

文明は後退できませんが文化を取り戻すことはできます。だからこそ私たちは諦めることをせず、今からできることとして『命の尊さ』についてキチッと下の世代へ教育を施し、そして気候変動のことも含めて『食品ロス』をとにかくなくしてゆくことなのです。

二酸化炭素排出実質0%を目標にしている2050年になると、僕は67歳。同世代は大企業では代表取締だったり、総理大臣を務めているなど各方面でリーダーとなり世界を引っ張っています。まだ30年あるとか言わず、この世代で今から30年後を見据えてもっと踏み込んで発信と行動をしていきませんか。一人一人にできること。僕の場合は普段の生活はもちろん。出前授業や映画『時の絲ぐるま』の上映を通して日本人のアニミズム性を取り戻し、さらにはそれを世界へ発信してゆくと、強く心に誓った今日でした。





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